2018年10月
ベロアのキルティングコート
柔らかいベロアにキルティングされた生地のコートです。
縫製がやや難しい素材なのですが、地方からのご依頼で2年も前からずっとブログを見てくださっていたようで、喜んで承りました。
どなたかからか譲り受けられたコートだそうですが、ダボダボしたシルエットと綿で膨れた衿のデザイン、バブル時代のような金縁の懐かしいボタンは、ご依頼主よりもだいぶ年上の方が昔着てらっしゃったコートなのかもと、勝手に予想(*^.^*)
スッキリとノーカラーにしてバストサイズから肩幅から袖幅も、全体にサイズを絞りAラインにして若返りました。
ボタンはコートのイメージにすごく影響します。
コートの本体がシンプルなデザインの場合、装飾ボタンをデザインのアクセントにすることもありますが、ご要望が無い限り、なるべく主張しない素材や色に合わせたシンプルなボタンにしています。
ベロアに合うマットな素材でボタンホールの大きさに合うものを考えた結果、身幅をカットした残り生地でくるみボタンを作りました。
今までのダボついた身頃から体にフィットするサイズになって、より暖かくなり見た目もシンプルでアレンジしやすいお洒落コートになりました。
ファー衿付きの革コートのリメイク
今年は残暑も厳しくて台風一過の数日前も夏のように暑かったのですが、すっかり秋らしくなり朝夕は寒いくらいになりましたね。
というこの時期になると、たくさんの冬物リメイクのご依頼をいただき、年内の納品分はそろそろいっぱいです。
20年前のこの革コートは、ファー衿が取り外しできる長めのものです。
ラグランスリーブのたっぷりした脇部分も、折り返しの袖も、長い着丈も、肩パットの大きな肩から続く袖口側のタックも、全てがデコラティブでもたついて大きいシルエットでしたので、スッキリと短くシンプルにジャケットタイプの革コートにリメイクしました。
本体とボタンで取り外しできるようになっていたファー衿は、ボタンホールの革部分をすっかり取り除き、柔らかくなってマフラーとして使えるようになりました。
画像のように留められるようにとのご要望で、内側にループボタンを一つ付けていますが、ひと巻きしたり、ブローチで留めたりしても楽しんでいただけそうです。
これだけ脇と袖幅が変わりました。袖丈も折り返しだった分を短くしています。
20年間大切に保管されていた分、これからたくさん着ていただきたいです。
フード付きコートから個性光るマントのリメイク
前回はムートンコートをシュラッグにリメイクし、いつも少し個性的なデザインのリメイクのご依頼いただいているのですが、今回のたっぷりしたフード付きのコートは、世界に一つしかない個性のあるマントにリメイクしました。
マントにリメイクするには、身頃のボリュームや袖幅の太さが必要で、肩から袖につながったラグランスリーブの方が合っています。ムートンなどの継ぎ接ぎもデザインになるものであれば、マントのリメイクは可能です。
こちらも着丈も長く、身幅も袖幅もボリュームたっぷりで、マントのリメイクにピッタリのコートでした。ポケット口の内側では裏生地にスリットを入れて手を出せるようにしています。
とろみがあって柔らかい生地なので縫製は大変でしたが、生地のドレープ感とデザインがマッチして、雰囲気のあるマントに仕上がりました。
革リメイクの大作
何度かリメイクご依頼いただいて、今回は革のジャケットと革パンツ2本とサンプル用に革のスカートをお預かりしました。
お洒落なデザイナーズのジャケットですが、シルエットがピッタリ過ぎて、普段何気なく着るにはちょっと、、、という感じです。袖を取ってVネックのベストにすれば、すごく出番が多くなりそうです。
そして残った袖や革パンツ2本を利用してサンプルの革スカートより少し長いスカートを、とご依頼いただきました。
こうなるとリメイクというよりオーダーのようですが、とても長くお待たせしていたリメイクなので腕を振るいました!
パンツの広がりを利用して、ランダムに少し裾にフレアーが入り、リメイク感もあってモダンです。
サンプルのスカートは前後ともソフトプリーツでしたが、リメイクスカートは革の分量が足りず、後ろはフレアーで前のみソフトプリーツのラップスカートになりました。
大人っぽい秋のリメイク革スカートの仕上がりです。
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