2019年3月
ヴィンテージのメンズ革コート
20~30年前のものだそうですが、丁寧に手入れされていて状態の良いメンズの革コートです。
全体のサイズダウンと、胸の飾りフラップや裾の飾りタブなどを取り、衿の中に折りこんでいるフードをカットするなどして、全体にスッキリするようリメイクし、裏生地のほつれた部分なども修復しました。
随分昔のものなので、お父様から譲り受けられたものかと思いきや、お聞きしたら社会人になられて初めてのお給料で奮発して買われた革コートだそうです。
着るたびに社会人になったその頃の事を思い出して大切にされていたのでしょうね。ずっと一生もので着る革コートを購入されるなんて素敵です。
後ろのシルエットもスッキリしました。 もともと大きなサイズで着てらっしゃったのかもしれませんが、サイズダウンするほど体型を保たれているのも素晴らしいです。
裏生地の張り替えリメイク
ユーズド感のある革コートは味があって素敵ですが、裏生地がボロボロだと脱いだ時にがっかりしますね。
ご用意いただいた柄の入った素敵な裏生地で革のロングコートの裏生地の張り替えを承りました。
革は伸縮するせいか、裏生地が脇などで裂けて別布で補修されていたので、元の裏生地のサイズよりゆるみやきせを多めにとって作り替えました。
きせとは、縫い代分を少なく縫って、本来の縫い代分で折り返し、縫い目が隠れますが、表生地が動作によって伸びた場合も、折り返して重なった分が裏生地のゆるみとなって伸びるのでジャケットの背中心などで多くとったりする縫製技法です。きせがないと、表生地より伸縮が無く弱い裏生地は縫い目で裂けやすくなります。
ポケットの袋布も中で擦り切れていましたが、新しくした袋布は周囲を2度縫っています。
これは補強のための基本なのですが、最近はここまでしているものは、既製品ではほとんど見ません。
丈夫で美しく生まれ変わった革コート、また永く着ていただけると思います。
メンズコートリメイク
ユーズドのお店で見つけたと仰っていました。
生地の傷みもなく、柔らかいカシミアのバーバリーのコートですが、衿や全体のバランスが少し昔っぽいように思います。
着丈を少し短くして、フラップポケットの幅を短くし、希望の画像も用意してくださったチェスターコートのように衿を小さめのテーラーにと明確な指示をいただいて、ご依頼承りました。
身幅や肩幅などのサイズ調整をしなくても、ちょっとしたディテールの変更で、こんなにも今風に変わるものです。メンズの流行やサイズ感には疎いので、リメイク前後の画像を見比べて自分でも驚きました
昨日の、ご友人の結婚式に着用されるとのことでした。
中古品をうまく活用し上手にお洒落されていて、勉強になります。
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