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2025年3月

親子で着るコートにリメイク

3月も後半になって雪が降ったりしましたが、もうそろそろ春が来ているようです。
神戸からご依頼いただいたコート2点は元はお母様からもらったものをご依頼主とそのお嬢様とで着られるようにとの事でした。
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今回はリメイク前後のお写真を撮って送っていただいたので使わせていただいてます✨
スラリと長身で何でも着こなせそうなご依頼主と、それより若干サイズが小さいお嬢様にも合うよう細かなサイズ調整をして、デザインも飽きがこないシンプルで若々しいデザインに決まりました。

1点はキャメルのカシミアコートで、一枚仕立てのものです。
こちらは着丈を8センチカットし肩幅のサイズを合わせて春先まで着ていただけるような軽やかなコートになり、お嬢様のご婚礼の日に着ていただいたようです。元はお母様のものでもあったので3代で着られて、思い出のコートになったとおっしゃってました。
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もう1点は毛足のあるシャギー素材で、衿が大きく深いダブルでロングの全体にダボダボしたオーバーサイズのコートでした。
生地の厚みがあるのでボリュームを小さくしてなるべくスッキリ着られるデザインで、ご希望の写真などを提示していただいて、出来る限りイメージに擦り合わせてリメイクしました。
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着丈を短くしてテーラーカラーに衿を作り、浅いダブルの打ち合わせで肩や袖幅など全体のサイズを調整しています。
後ろにベルトをつけて、ボタン位置で身幅が寄るように付けてウエストがシェイプするようにしています。
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長いベルトで結ぶデザインの方が良いか迷われていたので、前端をカットした生地の残りを継ぎ接ぎしてウエストで結べるベルトも作り、どちらか選んでいただけるようにもしました。
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メールでデザインやサイズを打ち合わせしていましたが、お嬢様の大切なお祝いの日に着ていただく事になり、親戚の叔母さんになった様な嬉しい気分でした(笑)おめでとうございます!

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アルマーニのメンズコートをレディースにリメイク

メンズコートをレディースサイズにリメイクして欲しいとのご依頼を宅配で承りました。
しっとりしたカシミアの上質素材のコートの内ポケットにはARMANIのタグが、、、流石です。
パートナーの方がほとんど着ないままお蔵入りしていたので、という事を後からお聞きしました。それは確かに勿体無いです!リメイクしてたくさん着てもらえるよう腕を振るいました。
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肩パットを取って肩のラインを女性らしく優しいシルエットにリメイクし、衿のデザインもノーカラーでシンプルにスッキリしたデザインに決まりました。
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普段着用されているコートのサイズを教えていただき、全体のバランスを考えて肩幅や袖丈、袖幅の調整をしています。
もとの衿の打ち合わせの開閉には表から見えないように金具のドットボタンになっていて、ノーカラーにした際の衿元を何で留めるか迷いましたが裏生地で包んだスナップを付けて、前を開けていても目立たないデザインにしています。

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一枚仕立てのコートリメイク

5年程前に2度目の一枚仕立てのカシミアコートをジレにリメイクした広島のお客様から3度目のご依頼を承りました。
今回も一枚仕立てのカシミアコートですが、肩パットが付いた大きな肩に大きな衿のよく流行ったデザインです。
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肩パットを取って肩のボリュームをカットし、もとの衿を小さくして大きめのヘチマ風カラーで前をボタンで止められるようにというご希望でしたので、ハサミを入れる前にピンで作った肩や衿のイメージ画像を何度か見ていただいてデザインを決めています。
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デザインが決まったら前端から衿端の仕上がりの位置に画像のようにまち針を付け、縫い代分を足してカットします。
一枚仕立ては、生地をカットした切り口を表と裏の2枚に手で割き、内側に伸び止め接着テープを貼り、割いた切り口を内側に折り返して3〜4ミリ間隔で手まつりする気の遠くなる手作業になります。
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肩はスッキリとして前の重なりの深いふわりとした衿に仕上がりました。ボタンは衿元とウエスト位置に共生地で作ったくるみボタンを共生地で作ったループで止めています。
左の衿も固定しないと衿の形が崩れるので、右肩の内側からリボンを使ってボタンを付け、左前端に糸ループで内かけボタンにして止めていて
『前を開いて着た場合も従来のデザインのように着られて感激しています』とメールをいただきました。
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生地を割く作業で指先を酷使したり気の遠くなるまつり縫いも完成時には大きな達成感となり、さらにお客様から仕上がりを満足していただいたメールをいただいた時に頑張って良かった〜と思い、これからの励みになります。

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30年以上前の思い出のカシミアコート

3月になって、千葉に移転してからちょうど2年が経ち、アトリエも模様替えを繰り返し徐々に使いやすくなって新しいミシンが1台増えました。
昨年から千葉県内のお客様が増えましたが、千葉は広くてまだまだ知らない所がたくさんあります。
こちらも千葉にお住まいで30年以上前にご主人にアメリカで買ってもらった思い出のカシミアのコートをリメイクしてこれからも着られるようにしたいとメールをいただきました。
確かにバブル時代の分厚い肩パットに金の入ったボタンです。
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肩のサイズを合わせ、ボタン位置が低く衿開きが大きいのでボタンを上にひとつ増やし、衿が小さく開きが詰まるように形を変えました。
ポケットの口布幅が大きくて主張しているので、口の幅を小さくして、ポケット口が垂れないように内側にスナップを付けています。
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ボタンはコロンとしたレトロ風のものに付け替え、肩や衿ぐりのサイズ感もぴったりになってこれからまた着ていただけるようになりました。

アトリエが千葉のどこかは知らずにリメイクのお問い合わせメールをいただいたのですが、場所をお伝えしたら偶然にも同じ最寄駅に30年以上前から住まわれている方でした。ご主人との思い出のコートを今も大切にされていて素敵です。アトリエでお茶しながら近場のいろんなお店の情報など教えていただきました♪

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寒さ対策のムートンコート

3月になってもまだまだ寒いですね。
せっかくのムートンコートも体にフィットしていなくて寒いというご相談を承ります。
こちらはマント風の大きなドルマンスリーブに出来ないかというご相談でした。
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その場合、元の袖幅や身幅は大きくないので、着丈をカットして赤いラインのようにリメイクするには、袖下の部分にカットした皮を足すのですが、着丈も膝までしかなく皮の分量はギリギリです。
脇の部分に皮を継ぎ接ぎして大きいドルマンスリーブにリメイク出来なくはないので、デザインの打ち合わせで何度もメールのやり取りをしましたが、そもそもは衿が開いているので寒いことが一番の問題だった様で、衿部分だけをリメイクすることになりました。

フード付きのムートンコートでもよくフードの重みで後ろに身頃が持っていかれると言われて、これまで何着もフードを取って衿にリメイクを承りましたが、こちらも着ていると肩が落ちて前がはだけてくる感じなので、衿元がピッタリ閉まるスタンドカラーの衿にリメイクです。
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衿の内側に見えない様に鍵ホックをつけています。
リメイク後に発送してから
『着てみまして、とてもよい感じでした。変色した部分もあまり気にならなくなりました。』
とメールをいただきました。
かなり大きなリメイクになりそうでしたが、こんなに簡単なリメイクで満足していただけて良かったです。

発送でリメイクを承る場合はメールでのサイズの確認やデザインの打ち合わせになり、たとえ同じ身長と体重であったとしても体型は様々で、シルエットも素材や着る人の体型によって変わります。メールで服の構造的な部分の説明を言葉にして伝える時などは特に大変なのですが、できる限りお客様のご要望に応えられるように日々励んでいます。

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