難しい衿のリメイク

庭の花が次々と咲き始め春爛漫という中、冬物のコートの衿のリメイクに苦戦していました。

ロング丈で身頃にボリュームがあり衿元はピッタリと首に沿って折り返しになったデザイナーズブランドのコートです。
詳しいことまでお聞きしてませんが、どうしてこんなコートを買ってしまったんだろう〜と仰ってましたし、華やかなお店の雰囲気に少し高揚してデザイン性が高くいつもと違った個性的な服を購入して失敗することもありますよね。
首周りは暖かそうですが、小柄なお客様には全体に大きくて重そうでした。

着丈を１５センチほど短くし肩のボリュームもカットして、衿のデザインは写真のようにとご要望でしたが、ボタンが開いていて斜めがけしたベルトが衿の下にあり厚めのニットのハイネックのせいか衿が後ろに抜け気味になっている写真は実際の衿と見え方が違うのと、使える生地に制限があり生地が厚いのでメンズ仕立ての小さめの衿にするには難題です。

とはいえ、できる限りイメージに沿ってリメイクしました。
もともとのくるみボタンもあって、その上にループボタンで止めるようになり、後ろのみ衿腰をつけて小さいステンカラーに仕上げました。

ニットのハイネックセーターの上から後ろに抜き気味で着ていただければ写真に近いような。。。
これからたくさん着ていただけたら嬉しいです。

先月、兼ねてより渇望していたEV自動車が届きました♪
リメイクの依頼品をスーツケースに詰めて駅から徒歩やタクシーで来てくださった時には大変恐縮していましたが、天候が悪い日や嵩張る服をお持ち込みされる場合は車で送迎が出来ますので、お持ち込みのリメイクをぜひご検討ください✨

CHANEL裏地の取り替え

繊細な生地を軽くしなやかに仕上げたシャネルらしいデザインのジャケットは、後ろの衿ぐりの見返しもなく直に裏生地と縫い合わせていてクリーニングで衿ぐりが破れてしまったそうなので裏生地を全て取り替えました。
それにしても赤いジグザグ刺繍で縫い合わせた縫製方法や裾に錘のために縫い付けたチェーンなど手仕事の素晴らしさを感じます。

後ろの衿ぐりの補強をしながらも元の軽い仕上がりにしています。